酢酸ブチル HSコード(税番)
統計品目番号及び他法令
この商品は有機化学品ですので、第6部化学工業(類似の工業を含む。)生産品というジャンルに所属します。その中から税番を特定いくのですが、実行関税率表は、部、類、項、号、統計細目を9桁の数字で表現しています。全ての商品は9桁の番号のいずれかに分類され、その番号が関税やその他国内法にかかる税金を調べる手がかりになります。 では、実際に税番を調べてみることにしましょう。 このブログは税関のHPに掲載されている最新のWEB実行関税率表と検索システムを使用して、自分で税番を調べることができるようになることを目的としています。また必要な輸出入の手続きがすぐ分かるようになることを目標に、実行関税率表から他法令を検索したり、商品を輸出入する仕事のお役にたつためのブログですので、詳しい法解説や分類根拠などは通関士試験参考書や他のHPをご参照ください。
目次
ではさっそく税関WEB実行関税率表(タリフ)を使って「酢酸ブチル」の号までの、6桁数字を特定していきましょう。
税関の最新版WEB実行関税率表(2026.01)
https://www.customs.go.jp/tariff/2026_1/index.htm
税関の品目分類検索
https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp
まず何類に分類されているか目星をつけていきます。類から一つずつ検索検証を行うと、この作業はたいへん時間がかかります。我々通関士は何を目安に税番を探しているのかというと、実は名前です。名前は商品固有の特徴をよく表していますので、これを真っ先に探します。ではこの商品の和名、英名、別名、を検索にかけてみましょう。
酢酸ブチル、酢酸ノルマルブチル、n-BUTYL ACETATEなどと呼ばれているようですので、
まず英名を検索する前に各名称の共通する「酢酸」を品目分類検索にかけてみます。
検索のラジオボタン輸入を選択して
https://www.customs.go.jp/searchtc/Result#jit001btnareaの結果がでました。
たくさん検索にかかりました。
主に実行関税率表から検索された内容をみてみると

検索結果から特定
このあたりに酢酸ノルマル-ブチル、酢酸イソブチルという名前がありますね。この類がターゲットかもしれないと目星をつけます。どうやら商品は29類にありそうです。 ではWEB実行関税率表の29類を探してみます。検索結果右横の「輸入統計品目表(29類)」をクリックし「2915項」を探してみると「2915項」に飛びます。 「2915項」の記載内容 「飽和非環式モノカルボン酸並びにその酸無水物、酸ハロゲン化物、酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体 」(この記載内容の意味は商品を分類してゆく過程で少しずつ理解できるようになります。) と書かれております。この記載内容の意味がすぐに分かる方はこのブログは読む必要ありません。このブログは統計品目番号(税番)を調べることが目的ですので、「ああ、そうなんやぁ(関西弁)」で良いと思います。 通関士としてやることは、税番と税率を確定させること。品名と別名をたよりに実行関税率表の2915項を更に細かく調べてみます。 https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm 別名 酢酸ノルマルブチル(n-BUTYL ACETATE) まず、最初に商品の名前がのっているか調べていきます。あ!ずっと後半の方にこの名前の記載がありましたね。別名、英名の記載が同じであれば、その物質と特定できます。その税番がどこに所属するのかも知る必要があります。 酢酸ノルマル-ブチルという名前発見!別名と一致! 左の数字をみてみると 「2915.33.000」 という番号が割り振られています。どうやら、これがこの物質の税番のようです。酢酸イソブチルは名前が似ていますが、別の品物ですので別の番号が割り振られています。
検証
最後に検証、一番簡単な検証の方法はその商品の輸入許可通知書をみせてもらう事です。 同じ番号ならば、間違いありません。簡単に輸入許可通知書はみせてもらえませんが、税関に相談すれば教えてもらえます。 これは以前私が輸入申告したものです。品目番号(税番)は同じでしょ。 マレーシアとのEPA協定税率を適用、関税は無税です。

荷主用の輸入許可通知書は守秘義務がありますので、税番記載部分だけ切り取っています。) 税番は発見できればそれでオッケー、宝さがしや謎解きゲーム感覚で調査しましょう。関税定率法上の番号ですから税関にしか通用しませんが、深堀していけば、化学分野での知識も広がります。 さて次に税率はというと、関税率が横に見つけられない場合、どこの類または号にこの番号が所属しているのかを知る必要があります。WEB関税率表には各関税率とEPA協定税率の記載がありますね。ではそれを特定してみましょう。 「2915.33.000」が記載してある箇所には、関税率とあり基本、暫定、協定、特恵、特別特恵と記載のある項目に数字がかかれていますね。これが関税の適用税率です。横の商品名とそれぞれの項目が交差する部分に記載されている数字が関税率です。(%表記)
同じ行に複数の関税率の表記がある、どれを参照したらいいの
じつは、この参照順序は関税法で決まっています。税率には色々な種類がありますが、こちらではどの税率を適用するかという視点で説明しています。 国定税率=基本税率 協定税率=WTO協定税率 便益関税の税率=WTO税率と同率 従課従量税率、季節税率など 特恵> EPA協定税率>基本>WTO協定税率の順に参照していきます。 その中の税率の一番低い税率を適用します。この点税関がちょっとだけ好きになるところです。 国定税率は国内法、協定税率は国際条約で決まっている税率ですが、国際条約を優先することが基本です。ただ協定税率が基本税率より高い場合は安い基本税率を使用します。 このほかにも簡易税率、従価税率、従量税率など様々な呼び名の税率がありますが、このブログではWEB関税率表に記載のある税率と適用順のみの説明になります。

関税率表の基本5.6%>WTO協定3.7%ですので小さい方WTO税率を適用 更に右横に国名と無税とかかれている部分は二国間の経済連携協定、EPA協定税率の適用税率です。こちらも原産地国の証明ができれば、そちらの税率を適用することができます。 EPA税率を適用できた場合、関税は無税になります。 ということで、税率の適用優先順位は EPA協定税率=無税>WTO協定税率=3.7%>基本税率=5.6% という順序になります。今回は原産地証明なしの為WTO協定税率を適用し税額を求めていきます。
税額を計算してみましょう
関税額と消費税額の計算方法
関税率が%で表示してある場合は課税標準にこの関税率をかけることによって関税額をもとめます。輸入はCIF価格の千円未満を切り捨てした価格が関税課税標準 例えば仮に¥換算で CIF価格 ¥12,345,678だったとして関税課税標準は¥12,345,000(千円未満は切り捨て)になり協定税率3.7%の場合、¥12,345,000 X 0.037 = ¥456,765 (100円未満切り捨て-> ¥456,700 この金額が関税額となります。 さらに消費税額を求めてみましょう。 現在消費税は10%ですが、国と地方に分けて計算します。 で、消費税の課税標準はというと CIF価格¥12,345,678 +関税額¥456,700 = ¥12,802,378 関税額にも消費税ってかかります。二重課税ですね。 消費税課税標準¥12,802,000 (国の)消費税 ¥12,802,000 X 7.8% =¥998,556 (100円未満切り捨て->¥998,500 地方消費税課税標準¥998,500 地方消費税->¥998,500 X 22/78 = ¥281,628(100円未満切り捨て->¥281,600 合計消費税額 ¥998,500 +¥281,600 = ¥1,280,100 ということになります。これらの金額は輸入申告時に一括して支払います。 輸入納税申告は申告と同時に納税するという基本パターンです。 納税が完了しなければ、輸入許可はおりません。 個人ではこのような金額を負担してまで、酢酸ブチルを輸入したいとは思いませんよね。
まとめ
税関のHP検索機能を使って税番をみつけ税額を計算
大まかな類に目星をつける
無機化学品28類 有機化学品29類 化学調整品38類
税関のWEB実行関税率表と品目分類検索を使って名前、別名、英名で品目検索をかける
税関の最新版WEB実行関税率表(2022.01) https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm 税関の品目分類検索 https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp
項をある程度特定できたら、その項の中に名前や別名があるか探し税番をみつける
検証する
適用関税率をもとめ関税消費税額を計算する
関税3.7% EPA税率が適用できれば無税
統計品目番号(税番)
酢酸ブチル 統計品目番号(税番) 2915.33.000
編集後記
今回は私が初めて実行関税率表を使用して分類した思い入れのある製品名を使用して作成した ブログ第一作目の記事になります。至らない点、リサーチや説明不足の点数多くあるかと思います。今後は皆さまのご意見を参考に、次のおおまかな5つの切り口で記事を編集していこうと考えています。 ①税番がわかる、関税率と額がわかる、立替消費税の計算方法がわかる。 ②運送方法のアイデアが浮かぶ、国内搬入に有利な方法が見つかる。 ③輸入予定国のメリットとデメリット、法規制の概略が分かる。 ④安全な輸送に関する情報が得られる。 ⑤税関HPの内容が理解できる。 現在、液体輸送に関連し石油化学製品やその他原料、燃料の輸出入ビジネスのお役に立つ記事になることを目標にしています。正確な記述を目指しておりますが、個人の認識範囲ですので、表現の不備や説明不足などご容赦ください。