「酢酸エチル」の輸入時のHSコード(税番)、税額は?

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酢酸エチル

HSコード(税番)

統計品目番号及び他法令

この商品は酢酸ブチルと同じ有機化学品です。そして項まで同じとても酢酸ブチルに近い物質です。では何がその違いの決め手なのでしょうか。名前をみても両者はとてもよく似ていますね。ブとエの違いだけで後は一緒です。

では、分類の決め手になる名前以外のものとはいったい何でしょうか。

賢明なあなたにはすぐ察しがつくと思います。

そうです、物質の製造過程と構造の特徴によって正確に分類されています。

「酢酸ブチル」の場合、別名から税番を確定し関税額、消費税を計算してみました。実はその他の分類の方法を言いたくて、同じ29類の中から「酢酸エチル」を選んでみました。両者はもちろん税番は同じではありません。さてどこで区別をしているのでしょうか。

では、実際に税番を調べてみることにしましょう。

このページは税関のHPに掲載されている最新のWEB実行関税率表と検索システムを使用して、自分で税番を調べることができるようになることを目的としています。また必要な輸出入の手続きがすぐ分かるようになることを目標に、実行関税率表から他法令を検索したり、商品を輸出入する仕事のお役にたつためのブログです。詳しい法解説や分類根拠などは別紙をご参照ください。<法解説と分類根拠URL>

目次

ではさっそく税関WEB実行関税率表(タリフ)を使って「酢酸エチル」の号までの、6桁数字を特定していきましょう

税関の最新版WEB実行関税率表(2022.01)

https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm

税関の品目分類検索

https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp

「酢酸ブチル」と同じ要領ですすめていきます。まず何類に分類されているか目星をつけていきます。品目分類検索を使って「酢酸」と検索してみます。輸入のラジオボタンをクリックし検索窓に名前を記載してみます。

https://www.customs.go.jp/searchtc/Result#jit001btnarea

の結果がでました。前回の「酢酸ブチル」の検索結果も参考に貼っておきます。

「酢酸エチル」の名前で関税率表に記載されています。別名で検索しなおさなくとも良いようです。2段下に調査済の「酢酸ブチル」がありますね。これは「酢酸ノルマル-ブチル」という名前で登録されておりました。この別名が税番確定の決め手になりました。

化学物質の名前って

今回はちょっと違う角度でこの物質をみてみます。酢酸とエチル、酢酸とブチルと分けて考えてみます。そう、ご推察の通り酢酸エチルは酢酸とエタノールを化学反応させ、水と酢酸エチルに脱水縮合したエステル結合を持つ物資です。構造式を見てみると一目瞭然!

「ねこでもわかる化学」より抜粋<https://manabu-chemistry.com/archives/43060898.html>

検索結果から特定

そしてこの赤丸部分の構造がエステル結合といいます。この構造を持っている物質の仲間なのですね。それで関税率表に酢酸エステルと記載があったのか、と納得できます。

ということは「酢酸ブチル」は酢酸とブタノールの化学反応でできた物質か・・と少しずつつながってきます。ということで、この物質の税番は

「2915.31.000」

という番号が割り振られ、前回の「酢酸ブチル」と号の部分が31と35の違いがありました。酢酸と化学反応させる物質が違うから、割り振られる番号も違うということですね。

検証

最後に検証、一番簡単な検証の方法はその商品の輸入許可通知書をみせてもらう事でした。
同じ番号ならば、間違いありません。簡単に輸入許可通知書はみせてもらえませんが、税関に相談すれば教えてもらえます。

<輸入許可通知書の抜粋図をいれる>
(荷主用の輸入許可通知書は守秘義務がありますので、税番記載部分だけ切り取っています。)

これは以前私が輸入申告したものです。品目番号(税番)は同じでしょ。

税番は発見できればそれでオッケー、宝さがしや謎解きゲーム感覚で調査しましょう。関税定率法上の番号ですから税関にしか通用しませんが、今回のように深堀していけば、化学分野での知識も広がります。

さて次に税率はというと、関税率が横に見つけられない場合、どこの類または号にこの番号が所属しているのかを知る必要があります。WEB関税率表には各関税率とEPA協定税率の記載がありましたね。ではそれを特定してみましょう。

「2915.31.000」が記載してある箇所には、関税率とあり基本、暫定、協定、特恵、特別特恵と記載のある項目に数字がかかれていますね。これが関税の適用税率です。横の商品名とそれぞれの項目が交差する部分に記載されている数字が関税率です。(%表記)

複数の税率の参照方法と根拠は前回第一作記事「酢酸ブチル」に記載いたしました。
そちらを参照してください。
<URLいれる>

関税率表の基本5.6%>WTO協定3.7%ですので小さい方WTO税率を適用

更に右横に国名と無税とかかれている部分は二国間の経済連携協定、EPA協定税率の適用税率です。こちらも原産地国の証明ができれば、そちらの税率を適用することができます。
EPA税率を適用できた場合、関税は無税になります。

ということで、税率の適用優先順位は

EPA協定税率=無税>WTO協定税率=3.7%>基本税率=5.6%
という順序になります。今回は原産地証明なしの為WTO協定税率を適用し税額を求めていきます。

税額を計算してみましょう

関税額と消費税額の計算方法


関税率が%で表示してある場合は課税標準にこの関税率をかけることによって関税額をもとめます。輸入はCIF価格の千円未満を切り捨てした価格が関税課税標準

例えば仮に¥換算で

CIF価格 ¥12,345,678だったとして関税課税標準は¥12,345,000(千円未満は切り捨て)になり協定税率3.7%の場合、¥12,345,000 X 0.037 = ¥456,765  (100円未満切り捨て-> ¥456,700
この金額が関税額となります。

さらに消費税額を求めてみましょう。

現在消費税は10%ですが、国と地方に分けて計算します。
で、消費税の課税標準はというと

CIF価格¥12,345,678 +関税額¥456,700 = ¥12,802,378
関税額にも消費税ってかかります。二重課税ですね。

消費税課税標準¥12,802,000 
(国の)消費税	¥12,802,000 X 7.8% =¥998,556 (100円未満切り捨て->¥998,500

地方消費税課税標準¥998,500
地方消費税->¥998,500 X 22/78 = ¥281,628(100円未満切り捨て->¥281,600
合計消費税額	¥998,500 +¥281,600 = ¥1,280,100

ということになります。これらの金額は輸入申告時に一括して支払います。
輸入納税申告は申告と同時に納税するという基本パターンです。
納税が完了しなければ、輸入許可はおりません。

個人ではこのような金額を負担してまで、酢酸エチルを輸入したいとは思いませんよね。

税率は「酢酸ブチル」と全く同じでした。ところで、この両者の臭いの違いって知ってました?

「酢酸ブチル」はバナナ臭、「酢酸エチル」はパイナップル臭

果物のパイナップルに微量の「酢酸エチル」が含まれているそうですよ。

まとめ

税関のHP検索機能を使って税番をみつけ税額を計算

実行関税率表の分類は物質の構造の特徴によって選別している

製造方法		化学反応		エステル結合	物質の特定

税関のWEB実行関税率表と品目分類検索を使って名前で検索、一発で判明することもある

化学物質の名前は化学反応をひもとく鍵になる

税関の最新版WEB実行関税率表(2022.01)
https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm
税関の品目分類検索
https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp

化学物質の特定には構造式をみれば一違いがわかる

化学反応		構造式

適用関税率をもとめ関税消費税額を計算する

関税3.7%	EPA税率が適用できれば無税

統計品目番号(税番)

酢酸エチル 統計品目番号(税番) 2915.31.000

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