酢酸
HSコード(税番)
統計品目番号及び他法令
酢酸ブチル、酢酸エチルと調査してきました。ではその二つの物質に共通する「酢酸」の税番は?という疑問がわいてきました。この物質も有機化学品ですので、第6部化学工業(類似の工業を含む。)生産品というジャンルに所属しているようです。 では、実際に税番を調べてみることにしましょう。 このブログは税関のHPに掲載されている最新のWEB実行関税率表と検索システムを使用して、自分で税番を調べることができるようになることを目的としています。 商品を輸出入する仕事のお役にたつためのブログですので、詳しい法解説や分類根拠など調べたい方はこちらのページ<URL記載>をご参照ください。
目次
ではさっそく税関WEB実行関税率表(タリフ)を使って「酢酸」の号までの6桁数字を特定していきましょう。
税関の最新版WEB実行関税率表(2022.01) https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm 税関の品目分類検索 https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp 税関の品目分類検索で「酢酸」を探してみます。一目瞭然!「酢酸」は検索結果の真ん中上くらいに「酢酸」という名前がありました。左を見てみると「291521000」番号が記載されています。はい、めでたくこれで作業終了。お疲れ様でした。 ちょ、ちょっと待ってください。ここで終わってしまったら、商品特定の確信を得ることはできません。 ここはもう少し検索された結果を深堀してみます。 実行関税率表はたいへん多くの事を教えてくれます。この検索結果はとても有用なヒントを示していると考えてみてください。 では検索結果をもう一度じっくりみてみましょう。

検索結果から気づくこと
検索窓に「酢酸」と入力しましたよね。 そう、この結果から気づくべきことは大きく分けて次の二つがあります。 一つ目、右端に記載されている「輸入統計品目表」の(類)の多さ 20類、22類、29類、39類と4種類の類が記載されています。酢酸は多く用途に使用されているのだな、食品関連にもでてくる、ということが分かります。 二つ目、税番の列()書きの記載内容 (2207)(1)工業用アルコール又酢酸エチル若しくはエチルアミンの製造の用に供するもの (2915)酢酸及びその塩並びに無水酢酸 用途によって分類が変わる この二つの違いは同じ酢酸でも用途によって分類が変わるということです。酢酸エチルやエチルアミンの製造用途で輸入された酢酸は22類に分類しなさいという意味ですね。でも用途がはっきりと決められていなければ、単一の物質として29類に分類するということです。 酢酸は様々な用途に使用されている物質です。同じ酢酸でもその使用用途によって大きく類が変わってくるということが分かります。構造が共通する化学製品、食品処理用途、ビニール、セルロースと幅広い用途があり、それも細かく正確に分類されています。
検索結果から特定
主に実行関税率表から検索された内容をみてみると、20類、22類、29類、39類の中に酢酸と関連した名前がでてきます。20類、22類は酢酸を食品用途に使用したり、使用用途が限定された製品ですので、検索目的とは違う商品です。
また39類の検索にかかった酢酸という名前は「~酢酸」または「酢酸~」という製品名が検索されていますので、こちらも目的の酢酸とは明らかに別の物質です。
最初に簡単に発見できた酢酸の税番ですが、広い用途で使用される場合はその用途によっても分類が変わってくるのですね。これは用途が限定されているという意味にもなります。ですので、仮に22類で申告した場合、酢酸エチル若しくはエチルアミンの製造用途しか使用できないということになります。
単一で用途がきまっていない酢酸を輸入する場合の税番は
「2915.21.000」
どうやら、これがこの物質の税番のようです。
検証
最後に検証、一番簡単な検証の方法はその商品の輸入許可通知書をみせてもらう事です。 同じ番号ならば、間違いありません。 これは以前私が輸入申告したものです。品目番号(税番)は同じでしょ。 <許可通知書切り抜き> (荷主用の輸入許可通知書は守秘義務がありますので、税番記載部分だけ切り取っています。) 税番は発見できればそれでオッケー、とはいかない時もあるのですね。宝さがしや謎解きゲーム感覚で調査しましょう。関税定率法上の番号ですから税関しか通用しません。 さて次に税率はというと、関税率が横に見つけられない場合、どこの類または号にこの番号が所属しているのかを知る必要があります。WEB関税率表には各関税率とEPA協定税率の記載がありますね。ではそれを特定してみましょう。 「2915.21.000」が記載してある箇所には、関税率とあり基本、暫定、協定、特恵、特別特恵と記載のある項目に数字がかかれていますね。これが関税の適用税率です。横の商品名とそれぞれの項目が交差する部分に記載されている数字が関税率です。(%表記)

同じ行に複数の関税率の表記がある場合は
特恵> EPA協定税率>基本>WTO協定税率の順に参照していきましたね。
その税率の中で一番低い税率を適用します。基本>WTO協定税率ですので、関税はWTO協定税率の「2%」を適用します。
税額を計算してみましょう
関税額と消費税額の計算方法
関税率が%で表示してある場合は課税標準にこの関税率をかけることによって関税額をもとめます。輸入はCIF価格の千円未満を切り捨てした価格が関税課税標準
例えば仮に¥換算で
CIF価格 ¥12,345,678だったとして関税課税標準は¥12,345,000(千円未満は切り捨て)になり協定税率2.0%の場合、¥12,345,000 X 0.020 = ¥246,900 (100円未満切り捨て-> ¥246,900
この金額が関税額となります。
さらに消費税額を求めてみましょう。
現在消費税は10%ですが、国と地方に分けて計算します。
で、消費税の課税標準はというと
CIF価格¥12,345,678 +関税額¥246,900 = ¥12,592,578
関税額にも消費税ってかかります。二重課税ですね。
消費税課税標準¥12,592,000
(国の)消費税 ¥12,592,000 X 7.8% =¥982,176 (100円未満切り捨て->¥982,100
地方消費税課税標準¥982,100
地方消費税->¥982,100 X 22/78 = ¥277,002(100円未満切り捨て->¥277,000
合計消費税額 ¥982,100 +¥277,000 = ¥1,259,100
ということになります。これらの金額は輸入申告時に一括して支払います。
輸入納税申告は申告と同時に納税するという基本パターンです。
納税が完了しなければ、輸入許可はおりません。
個人ではこのような金額を負担してまで、酢酸を輸入したいとは思いませんよね。
酢酸の文字を二つに分けてみると、酢(ス)と酸になります。食酢にはこの酢酸が4-8%含まれているそうです。工業用酢酸は写真の現像処理や定着過程に使用されることもあるようで、どこかで嗅いだことはありませんか?あの酸っぱいにおい
まとめ
税関のHP検索機能を使って税番をみつけ税額を計算
実行関税率表の分類は同じ物質でも使用用途によって選別する場合がある
使用用途によって分類 酢酸エチル等の製造用の酢酸は22類に分類
税関のWEB実行関税率表と品目分類検索を使って名前で検索、一発で判明することもある ただし広い用途の物質は類の数も多く、特定するには注意が必要
税関の最新版WEB実行関税率表(2022.01) https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/index.htm 税関の品目分類検索 https://www.customs.go.jp/searchtc/jtcsv001.jsp
税関のHP検索機能を使って税番をみつけ税額を計算
実行関税率表の分類は同じ物質でも使用用途によって選別する場合がある
税関のWEB実行関税率表と品目分類検索を使って名前で検索、一発で判明することもある ただし広い用途の物質は類の数も多く、特定するには注意が必要
実行関税率表にはたくさんのヒントが記載されている
2915項と2207項に分類する根拠 使用用途
適用関税率をもとめ関税消費税額を計算する
関税2.0% EPA税率が適用できれば無税
統計品目番号(税番)
酢酸 統計品目番号(税番) 2915.31.000